アクティブキャリア北九州 設立趣旨

NPO法人設立趣旨書より抜粋

少子高齢化、核家族化や市場規模の縮小といった社会構造の変化が進む現代では、これまでのようなキャリアプランの標準モデルは崩壊しつつあります。また、労働力人口の減少で人手不足が深刻化し、さらには派遣社員等の増加や勤務形態の多様化、ロボットや人工知能(AI)の進化による労働市場の変化などによって、働き手を取り巻く環境は今後ますます混沌としたものになる見通しです。こうしたなか、これからは国民一人ひとりがどのように生きていくのかが問われていると言えます。
しかしながら、「自分の価値に基づいて考え、行動する」という当たり前のような自立化への本質的アプローチは、これまであまり言及されませんでした。その結果、十分な労働能力を有しながらも勤労意欲の減退や就労機会の欠如によってそれを活かせていない潜在的労働力が増え、そのことが様々な問題をもたらしています。

特に、定年退職した高齢者には、申し分ない体力や豊富な経験・知識を持ちながらも社会との繋がりを失って自宅に引きこもる人が多くなっており、それが生活習慣病・うつ病・認知症の発症や生きがいの喪失、さらには孤独死の可能性などにも繋がっています。平均寿命が年々伸び「人生100年時代」を迎えようとしている現代において、こうしたことは極めて甚大な社会的損失でもあり、社会活力の喪失、経済の停滞、医療・介護費の増加などをもたらしているのです。

このような状況を打破するためには、「20歳前後で就職し定年退職後は年金生活」といった従来の固定化したキャリア観に縛られることなく、一人ひとりが本当の意味での自立化を基準としたキャリアデザインを自ら設計できるような環境づくりが必要です。

そこで私たちは、退職後高齢者を始めとした潜在的労働力を活かすため、地域の仲間との絆を深めながら一歩前へ進む「発想と共創の場」を提供する事業を展開することとしました。具体的には、第一ステップとしてシニア世代を対象に、「ビジネス作りを趣味に!」をコンセプトとした新しいセカンドライフスタイルを提案・支援する会員制組織を立ち上げ、運営する事業を実施します。参加会員は仲間と協働でのビジネス創出を趣味の一つとして楽しみ続けることで、社会的孤立を防止し、自律的・能動的にセカンドキャリアを形成するアクティブシニアへと変化します。さらに第二ステップとしては、定職に就いていない若者を対象に、自己発見を促しながら自己肯定感を高め一歩前へ踏み出す力を涵養するための会員制組織を立ち上げ、運営する事業を実施し、若者の自分らしいキャリア形成をサポートします。

こうした事業を展開することによって、生活の安定、心身の健康、社会との関わりを維持・享受しながら、夢や生きがい、そして幸福感を生涯に渡って持ち続ける人が増えることは、これからの社会に豊かな活力をもたらし、経済活性化や財政安定化にもつながり、ひいては国家の持続的繁栄を招致するものと考えます。

私たち発起人一同は、こうした取り組みを今後組織的かつ継続的に実施するために、公正かつ透明度の高い運営を行い、行政や関連団体等との連携も積極的に進めていく方針です。そのためにも、まずは社会的に認められた公的な組織にする必要があり、特定非営利活動法人を設立することが最良の策であると考えました。そしてこの法人設立をもって、上述の目的に対する私たちの確固たるコミットメントを一般に広く堂々と表明する所存であります。

皆様の幅広いご参加、ご協力、ご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。